太陽会について 理事長挨拶(2020)

2020年 理事長挨拶

 2019年は新天皇が即位され、平成から令和へと元号も変わりました。しかし一方で、当地域では台風15号による大規模停電、断水、通信障害に始まり、台風19号、台風21号の影響による水害等、今まで経験したことのない多くの天災を続けざまに経験いたしました。職員の皆さまは、自らが被災者でありながら、入所者や患者さまのため、さらには地域のために本当に頑張って下さり、心より敬意を表します。

 今年は災害のない平和な年であることを願いますが、太陽会にとっては、今後の様々なプロジェクトに向けての準備を本格的にスタートしなければならない年でもあります。

 介護においては、介護福祉士の養成が学校法人鉄蕉館と連携してスタートします。4月には亀田医療技術専門学校に介護福祉学科が新設されますが、半数以上がベトナムを中心とした海外からの学生となる予定です。太陽会では奨学金制度、アルバイトの受け入れなど学生支援を行い、将来のプロジェクトのための人材確保を目指します。三井不動産とのアライアンスで進めているCCRCプロジェクト※も順調に進んでおり、2021年夏には竣工、秋から入所開始となる予定です。このプロジェクトは当地に大きな経済効果をもたらす可能性があり、第2、第3のCCRCプロジェクトが南房総で展開されることも夢ではありません。

 医療においては、当地域のニーズにあった地域包括ケアシステムを構築するため、地域医療連携推進法人房総メディカルアライアンスを含め早急に協議を進め、安房地域医療センター増改築のマスタープラン・タイムスケジュールを確定し、プロジェクトチームを編成し、スタートを切ります。さらに、急速な人口減少に対応したコンパクトシティ化※を念頭に置き、大幡地区の老朽化の進む施設について、今後のビジョンを検討する必要があります。

 急激な若年人口の減少、高齢化率の上昇、貧困化・独居化の進展。もはや目先の利益や地域のエゴ、政治や行政の都合などで、合理性も生産性もないプロジェクトを行うことなど許されません。30年後を見据え、持続可能な地域づくりのために、市町村の枠にとらわれず、より広域的に将来ビジョンやコンセプトを作ることが必要です。

 今後さらに厳しい時代になるかもしれませんが、太陽会は次代を担う若者たちに、地域の発展のために力を尽くしてもらうための基盤を着実に実現してゆきたいと思います。

2020年 元旦

※ CCRC(Continuing Care Retirement Community):高齢者が健康なうちに入居し、介護や医療が必要になっても継続的にさまざまな支援サービスを受けながら、生涯学習や社会活動に参加できるようなコミュニティ。

※ コンパクトシティ:都市の中心部に、行政、商業、住宅などさまざまな都市機能を集中させ、生活に必要な諸機能が近接した効率的で継続可能な都市。もしくはそれを目指した都市政策のこと

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