太陽会について 理事長挨拶(2016)

2016年 理事長挨拶

南房総における医療・介護・福祉サービスの充実を目指す

 社会福祉法人太陽会は1987年に設立され、30年を迎えようとしています。 当初は地域の急速な高齢化、独居化に対応するための高齢者介護施設や地域に不足していた障害者福祉施設の運営をはじめ、在宅系の介護、福祉サービスを中心に活動を行っていました。
しかし2008年に安房医師会病院を委譲されることとなり、館山地域で唯一の急性期病院である安房地域医療センターを開設いたしました。
安房地域医療センターは149床の小規模病院ですが、救急センターには毎年2万数千人の患者さまが受診されます。

 また社会福祉法人立病院として急速な貧困化に対応すべく、無料低額診療を実施しています。
このように地域のニーズを踏まえ医療・介護・福祉活動を通して地域を支えようと努力して参りましたが、若者の人口減少、地域の衰退は加速するばかりです。このままでは遠くない将来、社会システムが破綻し地域が消滅してしまうことが予想されます。
そこで、教育や子育て支援に新たに取り組むなど、若者にとって住みやすい地域の基盤造りをスタートさせました。

 第一弾として2014年に、人生のやり直しやキャリアアップの支援、いわゆる一方通行型社会から交差点型社会への転換というコンセプトを掲げ、社会人にも大きく門戸を広げた安房医療福祉専門学校を開設いたしました。

 今後の社会は人工知能(AI)やIoTの進歩により、人間の果たすべき役割は大きく変わり、当然求められるスキルや資格も急速に変化してゆくものと思われます。
従って、生涯を通して能力を発揮し活躍できる社会を作るためには、方向転換や新たな資格取得、さらにはキャリアアップのための教育訓練を誰もが受けられる環境が必要となります。

 しかし残念ながら今までの日本社会は、欧米に比較して圧倒的に遅れていると言わざるを得ません。
安房医療福祉専門学校はスタートしたばかりの小さな学校ですが、学生と一緒に一つのモデルとして進化し続けたいと思います。

 さらに2016年4月には子育て支援のモデルとして認定こども園「OURS(あわーず)」を開設いたしました。
日本にとっても地域にとっても、最も重要かつ喫緊の課題は、生産人口の減少と低出生率への対応です。
出生率を増加させ、生産人口を維持して行くためには、強力な子育て支援が不可欠です。
しかし、日本における子育て支援制度は福祉という概念を基盤としているため、利用者の視点が欠けており、全く不十分な状況です。

 そこで私たちは、3人以上の子供を、両親がフルタイムで働きながら安心して育てられる支援システムを目指し、福祉などという上から目線ではなく、出生率向 上、生産人口維持のために社会が提供すべき当然のサービスと考え、様々なニーズに柔軟に対応し、低価格で誰もが利用できる施設を目指しています。
また、子供たちには大勢の仲間と共に多くの経験をしながら、今後の社会に最も必要なコミュニケーション能力や創造力を育める場にしたいと考えています。

 安心して子育てと仕事が両立できる社会システムを構築しなければ、持続可能な社会保障も地域の発展もあり得ません。
社会福祉法人太陽会は、高い志と大きな夢を掲げ、常に挑戦し続ける所存です。しかし、これらの活動には多くの方々のご理解とご支援が不可欠です。今後ともよろしくお願い申し上げます。

2016年 元旦

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